株式会社G-gen は、Google Cloud / Google Workspace の導入・移行・運用、そして内製化までを一気通貫で支援する Google Cloud パートナーだ。Google Cloud の営業部隊と Google Workspace の営業部隊を社内に持ち、リードの入り口は WEB サイトからの問い合わせ、イベント出展、そして Google からの紹介が中心。クラウド活用を検討する企業に対し、専門性の高いコンサルティングと実装で伴走してきた。
ただし Google Cloud は、一般のビジネス層からするとエンジニア向けのサービスに映る。「Google Cloud とは何ですか」という段階のお客様も多く、商談に至るまでのリードタイムをどう短縮するかが、事業を伸ばすうえでの大きなテーマになっていた。
導入前のインサイドセールスのフローはこうだった。WEB サイトから問い合わせが入る → 内容を確認する → Salesforce でその企業を検索し、過去の問い合わせ履歴や既存顧客かどうかを照合する → ホームページを見に行き、企業規模やポテンシャルを把握する → そのうえで電話をかけ、Google Cloud や Google Workspace でどんなニーズがあるのかをヒアリングする。
ここまでで1件あたり30分〜1時間。しかも電話はすぐに繋がらないことが多く、コネクトできるまでに時間をロスする。ようやく繋がっても「担当アポに進むのか」「結局は変な問い合わせだったのか」を人の工数を使ってジャッジし、そこからプロダクトごと(Google Cloud 営業部隊/Google 営業部隊)の空き状況を事前に把握しながらアポを調整。Meet の URL を送付し、社内の Slack でアサイン依頼をして、ようやく営業が対応する——という流れだった。
人によっては電話にすぐ出てくれないので、そこで結構な時間をロスしていた。やっとコネクトしても、担当アポに進むのか、いや結局変な問い合わせだったね、で終わるのか。そのジャッジに、かなりの工数を使っていた。
もう一つの課題が、事前のニーズ把握だった。問い合わせフォームにリッチな情報を書いてくれる人もいれば、「Google Workspace を入れたい、どう?」だけでポテンシャルが読めない人もいる。本当に検討が進んでいるのか、温度が低いのか——問い合わせの段階では仕分けられなかった。
課題はこの2点。ニーズの把握と、アポ調整です。
これまでのリードソースは、WEB 問い合わせ・イベント・Google 紹介。事業を伸ばすには、自分たちで作る独自のリードをもう1チャネル増やし、SQL まで繋げていきたい——その思いが、ちょうど Meeton ai の提案と重なった。狙いは、ある程度 Google Cloud や Gemini を知っていて「導入したいが、どうすればいいか分からない」という、検討の入口に立った層を早期に見つけ、商談のリードタイムを短縮することだった。
とりあえず電話を受けたから承諾しました、ではなく——そもそもそういうサービスを知っていて、導入したいけどどうしていいか分からない、というお客様を見つけたかった。そこを AI のチャットボットでナーチャリングしてくれれば、質の高いリードが上がるよね、という発想だった。
以前は Salesforce Einstein も導入していた。商談を効率的に獲得したく、リードもデータも十分に溜まっていたからだ。だが、メールの最適化には一定の効果があったものの、それが初回商談に繋がるかというと別の話で、期待した成果には届かなかった。イベント出展も含め、スタートアップらしく「とにかく数をやる」で動いてはいたが、パイプラインの量・質ともに足りていない、という課題感が残っていた。
Einstein は入れてはみたが、あまり機能しなかった。メールの最適化には一定の効果があったが、そこが初回商談に繋がるかというと、また別の話だった。
比較検討の俎上には、国内外のツールが挙がった。だが当時、海外勢は「前のめりなお客様のホームページに対して、無理やり営業をかけていく」イメージが強く、G-gen が求める形とは違った。G-gen が望んだのは、ある程度チャットで会話してもらった上で、その履歴を見て商談に臨むスタイル。だからこそ、AI の機能が充実していそうな Meeton ai が候補に残った。
前のめりに無理やり営業をかけにいくより、ある程度チャットで会話してもらった上で、その履歴を見て商談に臨みたかった。商品の違いで言うと、やっぱり AI の機能が充実してそうなのが Meeton ai だった。
G-gen には自社エンジニアがいるため、内製も一度は検討した。それでも Meeton ai を選んだのは、スピード感が圧倒的に速いこと、そして UI を設計できる人が社内にはなかなかいないこと。試験的な取り組みである以上、コストをかけて作り込むより、素早く試せる方が適していた。
自社でやってみることも検討した。ただスピード感で言うと、やっぱり圧倒的にこちらの方が早い。UI 設計までできる人も、社内ではなかなかいなかった。
複数の要素が重なって、Meeton ai への導入が決まった。
UI がシンプルで使いやすい、これに尽きる。それに、こちらの要望も素早く適用してくれる。そのスピード感が信頼に繋がって、ちゃんと向き合ってくれているんだなと社内でも話していた。レポートも充実していて、月に何件取れたかが見やすく用意されているので、社内に広告しやすい。
チャットでやり取りが見えるので、どういうお客様なのかが分かる。「この人はポテンシャルがないな」「AI にきつく当たる人はあまり脈がないな」「ここは既存だからフォローアップしないと」——それがやり取りから判断できる。この使いやすさが、決め手になった。
POC 期間を設け、「月に10件アポが取れなければ厳しい」という投資判断ラインを引いた。商談単価から逆算した数字で、10件取れないとペイできない。社内目標は15件、最低ラインで10件平均。結果、初月からそのラインを突破し、平均しても達成できたため、導入継続を決定した。
POC 期間で、10件取れなかったらちょっと厳しいかな、と思っていた。でも初月から突破できたので、これはいけるんじゃないか、と。
導入前、SQL は WEB 問い合わせ流入だけで18件、アベレージで約20件前後を行ったり来たりしていた。Meeton ai を導入し、数字が出始めた10月には WEB 問い合わせ+Meeton ai 経由の合計で41件、11月には48件を記録。アベレージは30件を超え、プラス10件以上が安定して積み上がるようになった。
導入以前は、問い合わせだけの流入で SQL が18件、アベレージで20件前後だった。10月に入れてから41件、11月は48件。だから30件くらいアベレージが変わっている。やっぱりプラス10件です。
増えたのは数だけではない。Meeton ai 経由のリードは商談化率が高く、おおよそ70〜80%が実際の商談に進む。温度の低い「スカスカの SQL」がほとんどなく、基本はしっかり相談化していく、質の高いリードだった。
あまりスカスカな SQL はなくて、基本はほぼ相談している。ダイナミート経由だと、7〜8割以上が商談につながっている認識です。
事前にニーズが把握できるようになったことで、初回商談の質が大きく変わった。Meeton ai 経由のお客様には、Google Cloud / Google Workspace をそもそも知らない人がいない。「これは何ですか」を説明する段階が要らず、知っている前提で「どう活用していくか」から入れる。結果、話が住みやすく、初回相談の時間もリードタイムも短縮された。
我々がなぜこの仕事をしているのか、Google Cloud / Workspace を知らないお客様が、ダイナミート経由では一切いない。知っている前提で、じゃあどう活用していくか、というところから入れる。そこは非常に話が住みやすい。
マーケティングの視点でも変化があった。これまでは問い合わせをしてもらわないと言葉にしてくれなかったお客様の関心が、その前の段階で見えるようになった。チャット履歴から「どんな情報を求めているのか」が分かる。
お客様が考えていることが、結構わかるようになった。今までは問い合わせしないと言葉にしてくれなかったが、その前の段階のものが分かる。そこは良い。
リード獲得までの手間が減ったことで、インサイドセールスは空いた工数を別の業務に充てられるようになった。タイムパフォーマンス・コストパフォーマンスの両面で効いている。
Google Workspace 案件はインパクトが細いものもあるが、Google Cloud では ARR の大きいお客様——すでに他クラウドを利用していて移行・切り替えを検討する規模の企業——を引っ張ってくることができ、SQL として非常に大きな数字に繋がるケースもあった。後述のとおり、チャットには MRR 1億円規模のお客様も訪れていた。
導入がもたらした最大の変化は、チームの意識そのものだった。米川氏の言葉を借りれば「ガツガツ案件を取りにいかなくても、やれるんだ」という証明。國吉氏は、ハウスリストをナーチャリングして相談化させるアプローチの大変さと対比して、こう語る。
ハウスリストをナーチャリングして相談化させるのは、正直すごく大変だし、めんどくさい。でも、調べている潜在顧客の段階でアプローチすると、割とすぐ商談になったり、話を聞いてくれたりする。心理的ハードルが低い段階でコンタクトすると、人は割と「味方だ」と思って、自然に頼ってくれる。だから、すごくやりやすい。
今のカスタマージャーニーでは、お客様が自分で調べている時間の方が圧倒的に長い。その「調べている段階」で先回りしてアプローチできる——それが、電話を起点とした従来のインサイドセールスにはなかった強みだった。
社内には当初、懐疑的な声もあった。「そもそもチャットに入力してくれる人が、どれだけいるのか」。だが運用してみると、想像以上に多くの人が書き込んでくれた。いきなり営業電話やメールが来るより、まず自分で調べた上で進めたい——そういうお客様の心理が、確かにあった。
営業からいきなり電話やメールが来るよりは、事前に自分でも調べた上で進めたい、という思いが結構あるんだな、と。そこはギャップとして感じた。
社内の説得には、実際の数字を見せること、そして「24時間365日、潜在層にアプローチできる」という利点が効いた。お客様が自分で調べている段階でアプローチできる、というストーリーで社内を口説いていった。
運用で効いたのが、AI の頑張りが通知で「見える」ことだった。あるお客様に対して長くやり取りをしている=温度が高い、という勾配がリアルタイムに分かる。それを見て國吉氏自身がすぐにチャットへ切り替わって介入し、アポにつなげる——その介入が、累計で1000件ほどあった。いずれも比較的スムーズに介入でき、その中には MRR 1億円規模のお客様もいた。
AI が頑張っているのが、通知で分かる。この人に対して結構長くやり取りしているな、という勾配が見えるので、介入しやすい。すぐに僕がチャットに切り替わって対応する——それが1000件くらいあった。基本はスムーズです。
良いことばかりではない。立ち上げ期には率直な苦労もあった——が、いずれも許容範囲で、今は安定運用に乗っている。
最初の1〜3ヶ月は、チャットモデルのトレーニングに時間がかかった。「いつまでこれをやるんだ」と思う時期もあったが、その後は安定して回るようになった。手間がかからなくなったのは、だいたい3ヶ月後くらいです。
G-gen が次に期待するのは、どの業界・業種・規模の企業が自社サイトに来ているか、その属性傾向の可視化だ。傾向が掴めれば、ハウスリストの業種を絞った打ち手が打てるし、閲覧された製品・ソリューション資料に合わせて素早く提案できる。自分たちで調査する手間が減り、マーケティングがさらに楽になる。
どの業界・業種の企業が自社のオンラインに来ているか、傾向を調べた上で、ハウスリストの業種を絞って打ったり、見ている資料に合わせて提案したりできる。そうすれば、我々が調査しなくて済むので、マーケも楽になる。
「月々の動きを自然言語でレポートし、改善余地をアドバイスしてくれる機能が欲しい」——その要望は、すでに Meeton ai の「マーケティングハブ」としてリリース済みだ。期間を選んでその間のウェブサイトを分析し、AI が改善アドバイスを提示。会話はトピック別に自動分類され、どのキーワードが多く、どのキーワードでリード獲得を取りこぼしているのかまで可視化される。
マーケティング視点では、より細かい部分を自社でコントロールしたいという要望もあった。たとえばチャットを立ち上げる前の文言ひとつを自分たちでアレンジできれば、A/B テストで色々試せる。PDCA を自分たちで回せる状態へ——この点も、順次できることが増えている。
チャットを立ち上げる前の、その文言ひとつとか。この辺をこちらでアレンジできると、色々試せる。PDCA を自分たちで回せるようになれたら良い。
実運用から生まれた要望もある。特定のドメインや企業からの「逆営業」を、自動でシャットアウトする機能だ。逆営業は過去に数件発生したが、チャット内に一文を追加してからは発生していない。さらに踏み込んで、特定ドメインからのアクセスではチャット自体を立ち上げない、クレームやしつこい相手をブロックする——そんな仕組みが望まれている。
特定のドメインから来たら、チャットを立ち上げない、という機能があるといいかもしれない。クレーム対応であったり、しつこいお客様をシャットアウトする仕組みがあってもいい。
最後に、電話が繋がらず悩むインサイドセールスへ——G-gen からのメッセージはシンプルだった。
電話しなくても大丈夫。インサイドセールスに、革命を起こしてください。
電話が繋がらないと悩んでいるインサイドセールスは、これを使った方がいい。今は 0120 だと着信が来ても出ないし、03 ですら出ない。アウトリーチとして家電(固定電話)はまだやっているところもあるが、やらなくてもアポは取れますよ、と言いたい。
Google Cloud / Google Workspace という専門性の高い商材を、検討の入口に立った瞬間に捉え、質の高い商談へ。G-gen にとって Meeton ai は、電話に頼らない"新しいインサイドセールス"の基盤になりつつある。