データで見る:BtoB営業におけるメールのアウトリーチ戦略
急速に変化するビジネス環境では、インサイドセールスチームが潜在顧客とつながるためにあらゆる手段を駆使します。適切な戦略でメールを使ってアウトリーチすることで関係を構築し、取引を成立しましょう。この記事では、実績に基づいたデータと洞察に基づき、特にインサイドセールスチームが効果的にメールアウトリーチする方法を解説していきます。
インサイドセールスとメールアウトリーチの役割を理解する
インサイドセールスとは、顧客と直接対面せずに、電話やメール、オンラインチャネルを通じて製品やサービスを販売する手法です。このアプローチは、従来の営業活動とは対照的に、リモートでの販売が特徴となるため、広範な潜在顧客にリーチし、リードを育成することができます。また、データを追跡することができるため効果測定と改善を行うことができます。メールでのアウトリーチ戦力を重要な柱として考え営業戦略を考えることで効率よく営業活動をすることができます。
メールがアウトリーチの手法として効率が良いにも関わらず、メールを使って新規営業を行っている企業は1割未満です(DynaMeet調べ)。
電話やレター(DM)営業が主流となっている今日では、従来の方法で意思決定者に繋がりにくくなっています。一方、メール営業はまだ定着していません。
メール営業を活用している企業が少ない一方、意思決定者に直接連絡できる方法として有効性は高く、DynaMeetで意思決定者の連絡先を取得し、メール営業を行ったSaaS企業は10週間で商談化率を15倍に増やすことができました。
電話営業での商談化率が通常0.5〜1%程度であることに比べ、メール営業ではなんと7.8%を実現しています。
もちろん導入してすぐ結果が出るわけではありません。メール営業は細かデータを追跡できることが特徴です。メールの掲題を変えることで開封率はどう変わるか、どういうメール本文が返信率が高いか、どういうタイミングで送ると効果的か。様々な方法で試行錯誤し、効果測定を行っていくことで商談化率を向上させていくことができます。
まずは商談化するために重要となる軸は3つあります:
- タイミング:今、その潜在顧客は自社の製品・サービスで解決できる課題を抱えているか
- ターゲット:潜在顧客の中の適切な人物に連絡できているか
- (DynaMeetのリストの質についてはこちらの記事でMiro様が言及しています)
- メッセージ:潜在顧客が抱えている課題に直接訴求するメッセージを書けているか
それでは、メール営業に関わる商談化率の改善方法についていますぐ導入できることを解説していきます。
メールの送信タイミングを戦略的に考える
ここでいう「タイミング」は何曜日の何時に送るかというものではなく、受信者がいつ提供する製品・サービスで解決できる課題を持つかを指します。例えば、営業ツールを販売している企業であれば、展示会に出展する企業リストを見ることは一つの有効手段になります。顧客獲得に力を入れていることが企業が出展していると考えられるため、顧客獲得を推進できる製品を出展企業に提案することができます。
また、採用情報や人事情報も重要なデータポイントになります。例えば、マーケティングや営業職の採用に力を入れている企業は営業力に力を入れようとしていることがわかるためSFAツールを提案することができます。エンジニアの採用に力を入れている企業は開発に力を入れようとしているのでエンジニア効率をあげるツールを提案することができます。
こういった、自社の製品をどの企業にどのタイミングで提案するかを戦略的に考えることで返信率と商談化率を高めることができます。
重要なポイント:
- 課題を感じるタイミングを考える:コールドアウトリーチから商談化することを最も大きく左右するのはタイミングになります。今課題を感じている企業をどのように特定するかを考えましょう。
- 複数のパターンを考える:課題を感じるタイミングを測る物差しはきっと一つではありません。継続的に効率良い営業をできるように複数パターンを考え、営業リストを作成するようにしましょう。
魅力的な件名を作成
件名は受信者が最初に目にするもので、メールの開封率を唯一左右するものと言っても過言ではありません。DynaMeet調べでは、件名に受信者のお名前や会社名を入れることで開封率を45%向上することができます。
重要なポイント:
- 短く簡潔に:簡潔に課題に訴求する件名を書くことを意識しましょう。
- 質問や依頼の文にする:質問形式の件名は、受信者の好奇心を引き起こし、興味を持たせることができます。
- 名前や会社名を入れる:件名に受信者のお名前や会社名を入れると開封率が上がります。
開封されない件名の例:「〇〇サービスのご紹介」
開封されやすい件名の例:「【ご商談のお願い】〇〇株式会社で使われている営業ツールについて」
パーソナライズされた、関連性の高いメールを作成
一般的な情報しか記載のないメールは無視されるため、会社紹介をする箇条書きのメールは避けましょう。その受信者に響くかどうかに重点を置き、その人に向けたメッセージを書くことを意識しましょう。
重要ポイント:
- セグメンテーション:業界、役職、過去のやり取りなどの基準に基づいてメールリストを整理しましょう。各グループの特定のニーズや関心に合わせてメッセージをカスタマイズできるようになります。
- 受信者の名前を使用:メールで受信者の名前を使って挨拶しましょう。こういったシンプルな工夫で、メールが大量配信されたものではないという印象を与えることができます。
- データを活用:過去のやり取りや顧客データから得られるインサイトを活用し、受信者にとって関連性の高い課題や機会について言及しましょう。
しつこくない程度にフォローアップ
「インサイドセールスの主要な評価指標(KPI)」でも記載した通り、初接点から商談化までは平均8回の接点が必要です。受信者から見た場合、知らない人からの連絡や、知らないサービスについて提案されていますので、興味があっても返信することに戸惑うことがあります。
インサイドセールスとしては、会話を続け、粘り強さを示すことは重要ですが、しつこすぎると逆効果になることもあります。
(ブログ記事「インサイドセールスの主要な評価指標(KPI)」)
重要なポイント:
- フォローアップの間隔を空ける:受信者が返答する時間を与えたうえで、次の接点に移りましょう。3〜5営業日の間隔を空けるのが良いです。
- 各メールに価値を提供する:フォローアップするごとに新しい情報や事例紹介を共有できるように意識しましょう。
まとめ
効果的なメールアウトリーチは、インサイドセールスチームにとって強力なツールであり、見込み顧客とつながり、関係を構築し、売上を促進します。本記事を参考にメールアウトリーチを導入・改善し、売上向上に繋げていきましょう。
特に日本市場で架電とお手紙で意思決定者と繋がりにくくなっているため、営業手法も進化していくでしょう。データに基づいたメール手法を使って競合他社と差別化を目指しましょう。