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インサイドセールスの主要な評価指標(KPI)

インサイドセールスは、オフィスでもリモートでも実行できるため、現代の企業組織と働き方にあっています。特にB2B企業にとって、インサイドセールス戦略を効果的に実行することは、売上と成長を促進するために非常に重要です。

インサイドセールスの最大とも言える利点は、メール、電話、SNS、ビデオ会議などデジタルで行うことが多いことから詳細のデータ追跡が可能となることです。それではインサイドセールスチームの成功はどのように測定すればよいのでしょうか?

データが詳細に且つ大量に見れるから圧倒されて混乱してしまうこともあります。McKinsey & Companyによると、多くの営業マネージャーは同様の悩みを持っているとのことですが、データを精査して効果的にプロセスに反映できる場合、収益は15-25%上昇するとのことです。

本記事では、インサイドセールスにおける重要なKPIについて掘り下げ、それがなぜ重要なのか、どのように測定するのか、そしてデータに基づいた洞察を解説します。これらのKPIはインサイドセールス戦略を最大限に改善するための指針と考えましょう。

(McKinsey & Company, 2022, “Insights to impact: Creating and sustaining data-driven commercial growth”)

行動KPIと結果KPI

KPIを大きく分けると行動KPI(インプット)と結果KPI(アウトプット)の二つに分けることができます。自身がコントロールできるインプットを測り、どのようなアウトプットに繋がったかを考えることでプロセスの改善に繋げましょう。

行動KPI

リード応答時間

リード対応時間とは、インバウンドで入ってきたリードに対し、営業チームが応答するまでの時間のことです。ここではスピードが重要です。研究によると、応答が早いほど、リードを顧客に転換する可能性が高くなります。

重要な理由:Harvard Business Reviewの研究によると、1時間以内に応答した企業は、1-2時間で応答する企業に比べて7倍も意思決定者と有意義な商談ができたと報告しています。さらに、この数字は24時間以上経ってから応答する企業と比べると60倍になるとのことです。つまり、24時間以上経ってから返信する企業は1時間以内に応答する企業に比べて1.7%しか意思決定者と有意義な商談ができていないことを意味します。

この実情にもかかわらず、1時間以内に応答する企業は全体の37%しかありませんでした。一方、24時間以上経ってから応答する企業は24%で、全く応答しなかった企業は23%もありました。日本では、迅速なサービスに対する顧客の期待が高いため、スピード感を測るKPIは特に重要となります。

(Harvard Business Review, 2011, “The short life of Online Sales Leads”)

測定方法:リードが生成されてから(例えば、フォームの送信やメールの問い合わせ)インサイドセールスチームが最初に接触するまでの時間を追跡します。CRMシステムなどを使って、この追跡を自動化しましょう。

行動数

自身でコントロールできる範囲としては、行動数が一番わかりやすいです。電話した数、送ったメールの数、商談を行なった数などを数えることで、施策に問題があるのか、行動に問題があるのか判断することができます。

重要な理由:RAIN Groupによると、初接点から商談化までは平均8回の接点が必要です。トップセールスでも平均5回の接点が必要とされています。つまり、一つの商談を獲得するために複数の行動が必要であれば、多くのリードと商談化するためにはその分も行動が必要になります。

(RAIN Group, “How Many Touches Does It Take to Make a Sale?”)

測定方法:CRMツールなどを使って、メールクライアント(Google、Outlook)の連携、電話サービスの連携、商談リンクの連携を行いましょう。連携することで自動的に行動数を数えることができるようになります。


結果KPI

コンバージョン率

コンバージョン率は、リードが顧客になる割合を示すKPIであり、インサイドセールスチームの効果を直接的に測る指標です。

重要な理由:高いコンバージョン率は、チームの契約締結能力を直接測ります。また、リードの質の高さを反映します。ビジネスの成功には関係構築と信頼が鍵となるため、高いコンバージョン率は、セールスチームが効果的に関係を築いていることを示します。

測定方法:成約した案件数を接触したリード数で割ります。リードの出所別にコンバージョン率をセグメント化し、どのチャネルが最も効果的かを理解するようにしましょう。

平均契約金額

平均契約金額は、1件の成約ごとに得た平均売上を示すKPIであり、インサイドセールスチームが締結する契約の財務的な価値を把握するのに役立ちます。

重要な理由:平均契約金額を理解することで、現実的な売上目標を設定できるようになり、ROIの計算に役立ちます。取引ごとの期待売上が分かることで、どの程度コストをかけても大丈夫かなど組織全体の財務指標として考えましょう。

測定方法:ある期間におけるすべての成約案件からの総収益を合計し、それを成約した案件数で割ります。

セールスサイクルの長さ

セールスサイクルの長さは、初回の接触から成約に至るまでの平均時間を示します。

重要な理由:短いセールスサイクルは、迅速な収益生成と顧客獲得コストの低減を意味します。しかし、日本では意思決定まで慎重に時間をかけて進むことが多いため、期待値管理やリソースの効果的な計画を意識する必要があります。また、大手企業と中小企業で意思決定までの時間を大きく違うため、リードのカテゴリーごとに考えることも重要です。

測定方法:ある期間におけるすべての成約案件について、初回接触から成約までの日数の平均を計算します。

目標達成率

目標達成率は、営業担当者とチームが売上目標を達成または超えた割合を測定するKPIです。

重要な理由:このKPIは、営業チームの力を測るだけでなく、売上目標が現実的かどうかも示します。営業担当者個人で見た場合、達成率に個人差が出ることがありますが、達成率が高い人から学んで組織全体として力をつけることができます。チームとしては、何がうまく行って、何がうまく行かなかったかを考えるきっかけになり、どのように改善するべきかを深掘りするきっかけになります。

測定方法:営業担当者が達成した総売上をその営業担当者の目標で割り、100を掛けてパーセンテージを計算します。

顧客獲得コスト(Customer Acquisition Cost(CAC))

顧客獲得コスト(CAC)は、顧客を獲得するための費用を指し、マーケティング、営業、その他の関連費用が含まれます。

重要な理由:CACを低く抑えつつ、顧客生涯価値(LTV)を高く維持することは、収益性の確保に必要です。関係構築をするための活動やマーケティングコストが高くなると、ROIを確保することが難しくなります。どの程度のコストがかかるかを意識することで、商品・サービスの値段設定やターゲティングの見直しなどに活用しましょう。

測定方法:一定期間におけるすべての営業およびマーケティング費用を合計し、その期間に獲得した新規顧客数で割ります。この際、人件費を含まない場合と、含んだ場合の両方を計算することで本当のCACを理解することができるようになります。

顧客生涯価値 (Lifetime Value(LTV))

顧客生涯価値(LTV)は、顧客との関係が続く期間に期待できる総収益を指します。

重要な理由:顧客ロイヤルティが強い市場では、LTVの最大化が成長戦略の鍵となります。高い LTVは、顧客満足度が高く、リピートビジネスの可能性があることを示しています。

測定方法:平均購入額に購入頻度を掛け、その後に顧客の平均寿命(契約を延長しなくなるまでの期間)を掛けます。

平均ランプアップ期間

営業担当者が就業開始した日から、最初の見込み顧客へアプローチまたは成約する日までにかかる時間を指します。

重要な理由:ランプアップする期間が短いほど、営業支援プラットフォームやトレーニングが効果的であり、ツールやプロセスがわかりやすいことを示します。また、適任者を採用していることの表れでもあります。ランプアップする期間が長い場合は、オンボーディングプログラムの見直しや、ツールの変更、プロセスの簡素化を検討する必要があります。

測定方法:新任者が就業初日から最初の見込み顧客へのアプローチまたは成約する日までにかかる日数を数える

(インサイドセールスの採用戦略についてはぜひ「インサイドセールスに向いている人:人材の募集と採用戦略」をお読みください)


まとめ

インサイドセールスは、現代の企業において重要な役割を果たし、特にB2B企業では売上と成長を促進するための効果的な戦略が求められます。デジタルツールを駆使することで詳細なデータ追跡が可能となり、そのデータを活用してチームのパフォーマンスを最適化していきましょう。

行動KPI(インプット)と結果KPI(アウトプット)をバランスよく管理することで、営業チームの効率性と効果を最大化し、売上増加と組織の成功に繋げられます。各指標を適切に測定し、プロセスを定期的に見直すことで、持続的な成長を実現しましょう。

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