アウトバウンド・セールス:時間を無駄にせず、商談に繋げる方法
現在のSaaS業界は、10年前と比べるとかつてないほどサービスが乱立しており、競争の激化により混雑していることは明らかです。当初、アウトバウンド・セールスは新規顧客を獲得するための戦略として成功事例を作れた標準な営業方法であったものの、現在はすべてのSaaS事業者も同様の方法で営業をしています。
これにより、顧客は星の数ほどある企業から問い合わせが届き、メールは読まれにくくなったり、ブロックされるか、スパムとしてフィルタリングされるようになりました。また、電話は完全に無視されるなど、潜在顧客との商談に繋げることがこれまで以上に難しくなってきています。
このように、標準となっている営業方法が機能しないとなれば、営業パーソンは皆同じ考えに辿り着きます:「アウトバウンド・セールスは時間の無駄なのか」
結論としては、「時間の無駄ではない」と考えます。
どのようにアウトバウンドをするかという見直しは必要であるものの、商談化率を向上させる方法はあります。
一般的に、ソフトウェアはあらゆる分野のビジネスに不可欠な存在であり、今後もその状態が続くと考えられます。また、どの企業にも解決しようとしている社内問題があり、多くの場合、その解決策はソフトウェアが用いられます。
SaaS事業者にとって肝となるのは、適切なソフトウェアを適切な顧客の手に、適切なタイミングで紹介できるかという点です。
一見すると、アウトバウンドを成功させるためには、単純に繰り返し可能なタスクを大量にこなすことだと思われるかもしれません。例えば、400人の見込み顧客に全く同じメールをコピー、ペーストして送るなど。
そうすることで、400人の見込み顧客全員に連絡できたことを満足に感じられるかもしれません。しかし、現実はそのような一般的なメールに反応する人は、ほぼいません。
そこで、量よりも質を重視してみてはいかがでしょうか。それぞれの見込み顧客に時間をかけて下調べをし、その企業・人物特有のニーズや状況に合わせた内容を記載することで、はるかに有意義な結果が得られます。
最近その会社でどのような役員の異動があったのか、最近のプレスリリースやニュース記事を読み、業績指標を調べ、これらの情報をもとにカスタマイズしたメールを作成してみましょう。
結果は、
- 見込み顧客のビジネスとその課題を理解するために時間を割いてくれたと感じてもらえる
- 見込み顧客のビジネスとその課題について有意義な対話をするための事前準備ができる。
最初は、この方法が難しく、時間がかかるように感じるかもしれなませんが、長期的には、これは有意義な投資であり、高い投資対効果を生むと考えましょう。
まとめると、400通のメールで1%の商談化率と、200通のメールで5%の商談化率のどちらがいいか考えてみましょう。