SaaSセールスにおいて、リード戦略を考えることは非常に重要です。
事例を使って、解説していきましょう。
A社とB社の二つの会社があります。
年間売上 | 平均取引金額 | 先月のリード数 | |
A社 | 10億円 | 1000万円 | 1100件 |
B社 | 10億円 | 1000万円 | 30件 |
この2社のリード数の差は何でしょうか?
A社は成熟された市場のカテゴリーで事業を展開しているため、リードの量が必然的に多くなります。私たちはこれを「多量リード」環境と呼んでいます。こういう環境では、激しい競争と、契約につながらない可能性のある傍観者の多さが特徴です。
一方、B社は新興市場のカテゴリーで事業を展開しているため、リードの量は必然的に少なくなりますが、より契約に繋がりやすい質の高いリードである可能性があります。私たちはこれを「少量リード」環境と読んでいます。
リードは多ければ多いほどいいと思うかもしれませんが、その中に成約に結びつく可能性が高いものが少なければ、魅力は薄れます。このことを念頭に、リード戦略は量だけで評価するのではなく、質と最終的な成約率に重点を置いて評価されるべきです。
こちらが、リード戦略における重要なポイントと留意点です:
- 量より質:営業はただの数の追及ではありません。見込み売上を左右するのは、リードの質の高さです。上記の事例では、A社は大量の低質なリードをふるいにかけるために多くのリソースをかける必要があります。
- 市場環境の理解:市場環境はリード数に大きな影響を与えます。成熟市場では大きいリードリストを作ることは容易です。一方、新興市場は高品質だけど小さいリードリストを作れます。
- 柔軟性の重要性:多量リード環境で成功する戦略が少量リード環境でも成功するとは限りません。自分がどの市場で競争しているかを理解し、その環境に柔軟に適応することが重要です。
それでは、これからどのようなアクションをとるべきか。
- 市場を分析する: 自分の市場が多量リード環境なのか、少量リード環境なのかを分析し理解しましょう。
- リードの質に焦点を当てる: 営業プロセスの早い段階でリードの質を見極めるプロセスを導入しましょう。これにより、営業チームはより見込みのある顧客に集中することができます。
- 営業戦略を市場に合わせる:自分の市場環境に適応するために、営業チームの協力を得ましょう。少量リード環境の場合は、少量の質の高いリードに集中しましょう。反対に、多量リード環境の場合は、より多くのリードを見極めるためのリソースの準備を行いましょう。
市場環境が異なる2社ですが、単に数を追及することではなく、市場環境に合ったリード戦略を実行しましょう。
本記事の後編では、営業マネージャーが環境に合わせてどのように成功できるかを考えていきます。
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