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インサイドセールスに向いている人:人材の募集と採用戦略

インサイドセールスの採用は、営業組織の成功にとってとても重要です。「インサイドセールスとは?BtoB営業の現代版」で書いたように、インサイドセールスチームを作ることで、効率性、スケーラビリティ、良い費用対効果を期待することができ、現代の営業戦略において不可欠となっています。本記事では、インサイドセールスの募集と採用において、競争力が高い人材市場でどのように戦略的優位性を保てるかを説明します。

インサイドセールスを採用することの重要性

優秀なインサイドセールスを採用することは、組織の営業成績に大きな影響を与えます。米国のブリッジ・グループの2023年の調査報告書によると、営業スタッフがフルの生産性を発揮できるようになるまでには入社から約3.2カ月かかるようです。そのため、募集と採用の段階から戦略的に考え、十分な情報を得た上で採用を決定することが重要となります。


理想的な候補者のプロフィールを定義する

最初のステップは、理想となる候補者のプロフィールを明確に定義することで、成功に必要不可欠なスキル、経験、性格を考えることから始まります。

インサイドセールスに向いている人

  • 素早い対応と説得力あるコミュニケーションができる人:インサイドセールスは電話、メール、ソーシャルなどといったデジタルコミュニケーションツールでやりとりすることが多く、話し相手の顔が見えないことが多いです。そのため、端的に分かりやすく伝える能力と、見えない相手を説得する能力が必要になります。
  • 忍耐性と粘り強さ:営業は思い通りに行かないことが多いです。成約よりも断られることの方が多いことが多いです。断り文句に対しどのように対応し、モチベーションを維持することが求められます。
  • テクノロジーを受け入れられる:CRMシステム、自動化ツール、その他のデジタルツールを使うことが求められます。インサイドセールスは特に効率性が求められるため、新しいツールを受け入れられる柔軟性も必要となります。
  • 顧客第一に考える:成約するためには、顧客のニーズを理解し、それに応えることに注力することが重要です。
  • 分析能力:ツールを駆使して様々なデータが見える化できるようになったため、そのデータを分析し、営業戦略に反映させることも重要になっています。

インサイト:Hubspotの調査によると、42%の営業スタッフは潜在顧客を見つける(プロスペクティング)ことが営業プロセスの中で一番難しいと考えていると報告しています。その次にクロージング。つまり、インサイドセールスにおいては、この課題を解決するスタッフを採用するか、ツールを導入するかを考えるべきです。


複数の採用チャネルを活用する

さまざまな採用チャネルを利用することで、より多くの求職者にアプローチし、最適な人材と出会う可能性を高めることができます。

各採用チャネルの特徴:

  • 求人ウェブサイト:Indeed、Ambi、MyNaviなどの人気求人サイトはユーザーの登録者が多く、積極的に求人を探している人が多いため、多くの履歴書が集まることが期待されます。一方、誰でも応募ができる掲示板が多いため、求めている人物像と違う応募が多くなる可能性もあります。
  • ソーシャルメディア: 特にLinkedInは近年利用者が増えています。過去の職歴やスキルを簡単に閲覧することができ、積極的に良いと思う人材にアプローチをすることが可能です。一方で、ネットワーク作りでアカウントを持っている人が多く、求職者でない可能性があります。
  • リファーラル: 社員に候補者を紹介してもらう(リファーラル)方法は特に効果的できす。社風に合ったより質の高い採用につながることが期待できます。
  • 人材紹介会社: 営業職を専門とする人材紹介会社と提携し、候補者のネットワークにアクセスすることで専門性が高い経験者の採用ができます。

インサイト: EmployeesReferrals.comの調査によると、社員から紹介された候補者(リファーラル)は信頼できるソースからの紹介ということと、社風に合いやすいこともあって、採用までの時間が25%早く、採用率が通常の選考と比べて4倍も採用されやすいです。また、2年後の勤続率は1.6倍高く、採用コストも50%安いと報告しています。


募集要項を作成する

良い募集要項は候補者を惹きつけ、明確な期待値設定をすることができます。

効果的な募集要項に必要なもの:

  • 職種名を明記: 関連性のある候補者を惹きつけるために、具体的で正確な職種名を使いましょう。
  • 責任範囲の明記:募集段階で定まっていない場合でも、わかる範囲で詳細に責任範囲を記載し、日常業務も記載しましょう。
  • 必要なスキル:そのポジションに必要なスキル、経験、資格を分かりやすくリストアップしましょう。
  • 社風・価値観: 企業文化や価値観、働きやすい職場である理由を強調しましょう。
  • 成長の機会提供: 組織内でのキャリアアップや能力開発の機会を強調しましょう。

構造化されたインタビュー手順の構築

面接の手順や評価基準を明確化することで応募者に一貫性のある公正な評価プロセスを作ることができます。スキル面だけでなく、社風との適合性を評価できる質問集を作成しましょう。

質問例:

  • 営業経験:「困難な取引を成功させた時のことを教えてください。どのように考え、どのように成功させましたか」
  • 問題解決能力:「潜在顧客が決断を躊躇している状況にどう対処するか」
  • 社風との適合性:「どういう時にモチベーションが高くなるか。また、厳しい局面でモチベーションを維持する方法は何か」

スキルを評価する

ソフト面を確認する面接に加えて、実践的なスキルに基づいて役割の適合性を評価しましょう。

スキルの評価方法:

  • ロールプレイ:実際の営業シナリオで候補者がどのように対処するかを見るシミュレーションを行う。
  • プレゼンテーション:候補者に製品やサービスについての資料を準備してもらい、プレゼンテーションもしてもらう。
  • スキルテスト:スキルを確認するテストを実施し、CRM、データ分析、その他の関連ツールの習熟度を評価する。

インサイト:Deloitteの調査によると、スキル適正を中心とした組織は、人材の適正配置は107%高くなり、勤続率は98%高くなり、さらに成長できる職場としての評価も98%高くなったとのことです。


社風との適合性を重視する 

候補者が会社の文化・社風に適合していることを確認することで、仕事の満足度と勤続率を高めることができます。採用プロセスにおいて、候補者が会社の価値観とビジョンを共有しているかを評価しましょう。

社風との適合性の評価方法:

  • 勤労意欲:強い勤労意欲と目標達成への取り組みを示す候補者を探しましょう。
  • チームワーク:組織の中でチームワークを発揮する協調性があり、社風にポジティブに貢献できるかを評価しましょう。
  • 適応力: 営業職に必要な柔軟性があり、適応できることを確認しましょう。

インサイト: Deloitteの調査によると、経営幹部の83%と従業員の84%が、「モチベーションが高い従業員」が会社の成功に最も重要な要素と感じており、さらに84%の従業員はモチベーションを高く維持するためには社風が重要と回答したとのことです。これは、社風との適合性を重視して採用することの価値を強調していると言えます。


競争力のある報酬と福利厚生を提供する

優秀な人材を引きつけるには、給与、コミッション、福利厚生を含む競争力のある報酬パッケージを提供する必要があります。

競争力のあるパッケージの構成要素:

  • 基本給: 業界標準を反映した競争力のある基本給を提供しましょう。
  • コミッション構造: 組織への成果に基づく魅力的且つ分かりやすいコミッション構造を作りましょう。
  • 福利厚生: 退職金制度、有給休暇、など各種魅力的な福利厚生を提供しましょう。
  • 専門的な能力開発: 継続的な研修などを通じ成長する機会を作り、キャリアアップの機会も提供しましょう。

まとめ

優秀なインサイドセールス担当者を採用することは、高業績の営業チームを構築する上で不可欠です。理想の候補者プロフィールの定義、複数の採用チャネルの活用、構造化された面接の仕組みを準備してから、候補者のスキルや社風との適合性を重視した採用を行いましょう。また、競争力のある報酬や福利厚生を提供することで、優秀な人材を引きつけ、維持することもできます。これらの戦略を実施することで、競争が激しい市場環境でも営業成績を成長させるインサイドセールスチームを作ることができるでしょう。

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