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戦略的な営業計画の本質とは?


多くの企業では年度末に翌年の営業計画を立てますが、そのプロセスが適切に運用されていないことが多々あります。営業計画は単なる売上目標の設定ではなく、チームパフォーマンスの向上と企業成長を加速させる重要な要素ですが、実際には数字の割り振りにとどまり、実際の行動に落とし込む仕組みが不足しています。その結果、業務に流されて計画が忘れ去られてしまうことがあります。

営業計画を活用する際のポイント

営業計画を効果的に機能させるためのポイントとして、以下のようなものが考えられます。

・営業計画の柔軟な見直し

営業計画は年の途中で見直しや修正を行い、改善していくことが重要です。しかし多くの場合、計画を立てること自体が目的化してしまい、年の途中での見直しや調整が行われないことがあります。

・目標達成の進捗を把握する仕組みの強化

進捗の把握のために設定した KPI を実際の営業行動に結び付くようにすることが重要です。

・目標達成に対するモチベーションのコントロール

目標を「できたらいいもの」ではなく、「達成するもの」にするために、モチベーションをコントロールすることが必要です。

・全体の目標を達成するための各営業担当者の成績の改善

多くの営業組織では、売上の大部分を一部のトップ営業が生み出していますが、各営業担当者にも自分の成績を改善することがチーム全体の目標達成に反映されるということを意識してもらうことが重要です。

営業戦略を成功させるための 10 の真実

1. モチベーションは内側から生まれる
営業チームのモチベーションを高めるには、各営業担当者が自らが「なぜこの目標を達成するのか」を理解し、納得することが不可欠です。たとえば、「この目標を達成すれば、あなたのボーナスが増え、家族との時間をより充実させることができる」など、個人の目標と関連付けることで、モチベーションは大きく変わります。

2. 営業担当者の関心は、目の前の顧客に向いている
経営陣が「株主価値の向上」を営業の目標に掲げても、多くの営業担当者にとっては遠い話に感じられがちです。代わりに、日々の仕事を通じてどのように生活を向上させられるのかを明確にすることが重要です。

3. 営業担当者は自分の夢や経済的目標に関心を持っている
多くの場合、誰しも夢や理想のライフスタイルがあります。その個人的な目標と営業目標を紐付けることが、真のモチベーションにつながります。例えば、

  • 「今年の売上を達成したら家を買いたい」
  • 「もっと収入を増やして、子供の教育費を準備したい」など。

4. 適切な人材であれば、彼らの成功への意欲は目標を超える
営業チームに適切な人材が揃っている場合、彼ら自身が掲げる目標の方が、会社の設定する営業目標よりも高い可能性があります。そのため、本人の目標を実現するためにどのくらい売上を上げる必要があるかを問いかける方が効果的です。

5. 何を「普通」と感じるかは個々によって異なるため、何が普通でないかを定義する
個々がどのような生活やライフスタイルを求めているかを明確にすることで、働く意欲が変わります。

6. 成功と失敗の基準を明確にする
営業計画では「成功」と「失敗」の基準を明確にすることが重要です。

  • 成功基準:「年間1,000万円の売上を達成」
  • 失敗基準:「年間500万円未満なら評価の見直し」
  • 最低基準:「最低でも800万円は達成することが求められる」

このように基準を明確にすることで、営業担当者は自身のパフォーマンスを客観的に評価しやすくなり、マネージャーも適切なタイミングでサポートを提供できるようになります。また、「失敗とは何か」を明確にすることで、営業担当者の意識が変わります。

7. ハードルを上げれば、適切な人材はそれを乗り越えようとするのか?
営業の世界では、「高い目標を設定すると、モチベーションが上がる」という考え方があります。確かに、適切な人材が揃っている場合、基準を高めることで自然と努力する方向に向かうでしょう。
しかし、注意すべきポイントもあります。

適切な目標設定が必要
極端に高すぎる目標を設定すると、逆にやる気を失ってしまう可能性があります。そのため、「達成可能だが簡単ではない」という絶妙なラインを見極めることが重要です。

目標を細分化する
売上目標を提示しただけでは具体的な行動の方向性が見えにくいため、月次や四半期ごとの目標を設定し、短期的なゴールを意識してもらうことが大切です。

達成した際の報酬を明確にする
自分の成果がどのように評価されるのかを知ることで、モチベーションを維持しやすくなります。ボーナスやインセンティブ、キャリアアップの機会を明確にすることで、目標達成意欲を高めることができます。

8. 最低限の基準を設定すると、80%の営業担当者はそこにとどまる
心理学的には、人は「求められる最低限の基準」までしか努力しない傾向があるといいます。そのため、「最低基準」ではなく「期待値」を設定することが有効です。期待値を高めに設定することで、営業担当者は最低基準を超える成果を目指す意識を持ちやすくなります。

9. 個人目標の設定と継続的なフィードバック
チームのモチベーションを引き出すには、以下のステップを定期的に実施することが重要です。

  • 個人の目標について話し合う
    • どのようなキャリアを築きたいのかを確認する
    • 本人に目標設定を考えてもらうことで、責任感を持たせる
  • 目標達成のためのアクションプランを定める
    • 具体的な営業活動(アポ数、訪問件数、提案件数など)を決める
  • 定期的に計画を見直し、進捗をチェックする
    • 目標が達成できているか、どの部分に遅れが出ているかを分析する
  • 自己管理の度合いを確認する
    • 自分でスケジュールを管理できているかをチェックする
  • 失敗し始めたらすぐにコーチングを行う
    • 目標未達成が続く場合は、早期に改善を促す
  • 目標未達は失敗であることを明確に伝える
  • 営業活動を成功に導くための習慣を作る
    • 「毎朝30分は営業戦略を考える時間を確保する」などの習慣を定着させる

10. 失敗の兆候を早期に察知し、迅速に対応する
年間を通じて、ほぼすべての営業担当者はどこかで失敗し始めるタイミングがあります。その兆候を早めに察知し、すぐに軌道修正を図ることが重要です。営業成績が落ちるサインとしては、「提案数の減少」「アポイントの質の低下」「営業日報の内容の薄さ」「会議での発言が減る」などが挙げられます。早めに対応することで、大きな失敗を未然に防ぎましょう。

営業チームのパフォーマンスを最大化するために、ぜひこれらの戦略を活用し、より強い営業組織を構築していきましょう。

(本記事の内容は、noteで公開した内容を転載しています。)

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